元ムッカー: 池袋の女

用事があって池袋の豊島区役所近くのモスバーガーに入ったら、なんと学生っぽい人たちが多いこと多いこと。煙いし、うるさいし、全員ビジュアル系バンドかという服装、摩邪かという髪型。もー即刻立ち去ろうと思いがんばってカフェラテを飲んでいたら、男のような口調でしゃべるとなりの女の子の会話が急に耳に入ってきた。
　「私、ほら昔ムッカーだから。」
　「ムッカー。」
　「何ていうの、ムックの追いかけしてた。」
　「以前ムッカーの集まりがあってそのときに知り合った人からメールがあったんだけど、今日湘南でムックが公開録音するんだって。『こないの？』と言われて困ってんだよね。」
　「ゴホッゴホッ言いながら電話して、『調子悪くて、ごめんいけない』って断ったんだよね。」
「それ誘われてるんじゃねーの？」と質問する相手の女の子。
なるほど、ガチャピンじゃなくてムックが好きな人たちがたくさんいて、その仲間内でネットワークがあるのねと理解していた矢先に、その女の子が一言。
　「でも私こういう小さな嘘、結構好き」
何なんだ、一体。池袋は難しい街だな。ちょっと居づらい。

ところで自宅に戻ってからムッカーについて調べたら、毛がもじゃもじゃの方でなくて私の知らないミュージシャンの方でした。